しぐなすの創作物置小屋

小説・短歌・現代誤訳などなど

【200字鑑賞】「きんぽうげ、むらむら黄なり。風のむた その花ゆらぐ。いろひ かげろひ  釈迢空」

字面としては切れぎれに見えるが、唱えると調子が整っていて気持ちがいい。無邪気でかわいらしい語感「きんぼうげ」、その花がゆらく。そこに動きがあり、陰影がある。風にゆれて、黄の色を明るく輝かせたり、そうかと思えば日陰に沈んだりしているのだろう。「むらむら」と「むた」、「ゆら」が響く。リフレインめいた結句は、花がゆれるさまを表しているようだ。読んでいると、ゆりかごにゆられているような快感を覚える。