茶碗蒸しの底の方なる銀杏にわづかな毒気ありとこそ聞け
短歌題詠:084:円
カイツブリ潜ったあとは円形の波の輪唱広がりやまず
短歌題詠:083:予言
大災害起きる予言ははずれども耳鳴りの雨いまだ降りやまず
短歌題詠:082:ほろぶ
舌先にほろほろほろぶ落雁ののちの茜の空のひそけさ
【200字鑑賞】「きんぽうげ、むらむら黄なり。風のむた その花ゆらぐ。いろひ かげろひ 釈迢空」
字面としては切れぎれに見えるが、唱えると調子が整っていて気持ちがいい。無邪気でかわいらしい語感「きんぼうげ」、その花がゆらく。そこに動きがあり、陰影がある。風にゆれて、黄の色を明るく輝かせたり、そうかと思えば日陰に沈んだりしているのだろう。「むらむら」と「むた」、「ゆら」が響く。リフレインめいた結句は、花がゆれるさまを表しているようだ。読んでいると、ゆりかごにゆられているような快感を覚える。
短歌題詠:081:ノック
わがドアをノックもなしに踏み込んで心盗みし