しぐなすの創作物置小屋

小説・現代誤訳・詩歌・漫画などなど

2022-01-01から1年間の記事一覧

「運命」

あのーあっこの公園あるやろ、うちの近所の。こないだ、あの横の道歩いてるときにな、前の方に資源ごみ回収のトラックがとまっててん。お医者はんの帰りや、うん、午前中。 ほら、ええマンションはゴミ置き場て、きれーな小屋みたいなんになってるやん、あれ…

「冬至前」

冬至前、関東の午後二時はもう黄昏の雰囲気だった。それでも十二月にしては空気は冷たくなかった。風もない。 鉄道の高架脇の小道はちょっとした遊歩道のようになっていて、散歩にはちょうどよい。道に沿って樹木が植えられ、地面には落葉が散り敷いている。…

「ココちゃん」(改訂版)

やっと日が傾いたのを見計らって、四時過ぎに夕食の買い物に出かけた。今日は夫が早く帰ってくるという。九月も終わりだというのに、昼間は強い日差しだった。 国道を渡って細い道をたどる。車もあまり通らない。コーポや低層マンションが立ち並び、その先は…

200字小説『幸せってなんだっけ』

「振袖のひと」

私が十八歳だったころ、昭和の御世のお話です。高校を卒業してある雑貨店に勤めました。 お店ではネックレスや指輪などのアクセサリーやぬいぐるみ人形などを扱っていました。まだ若かった私は、それらの品々を憧れのまなざしで見ているばかり。会計係をしな…

「未来へ行った話」

これは俺が未来へ行って帰ってきた時の話。自転車型のタイムマシンに乗って……どういうわけで乗ることになったのか、それはまたいずれ語るとして、とにかく四日後の未来へ行ったんだ。 三日後に苦手な算数のテストがあるので、その結果を四日後の自分に聞きた…

「<算盤が恋を語る話>その後」

※『算盤が恋を語る話』(江戸川乱歩)の続編を書いてみました。 田代さまへ 大変ご無沙汰しております。私達の婚礼以来、お目にかかっておりませんが、その後、おかわりありませんでしょうか。 私と木山は子供もうまれ、しあわせに暮らしております。しあわ…

140字小説まとめ1

※Twitterに投稿した140字小説をSS名刺メーカー様にて画像化しました。

「ココちゃん」

やっと日が傾いたのを見計らって、四時過ぎに買い物に出かけた。九月も終わりだというのに、昼間は強い日差しだった。 国道を渡って細い道をたどる。車もあまり通らない。コーポや低層マンションが立ち並び、その先は大きな古い屋敷のコンクリート塀がつづく…

400字小説「かざぐるま」

題詠100首(短歌)

まえがきこのほど、15年ぶりに題詠100首を詠み終えました(ヤンヤヤンヤ)。 2007年に「題詠blog2007」というのがネット上で開催されました。決められたお題100個を順番に1首ずつ、1年で詠むという催しでした。 参加したのですが途中で挫折。2011年にツイッ…

掌編小説「うな丼」

石丸さんは、十年ほど前、俺が大阪で土木作業員をしていたときの同僚で、当時もう還暦を超えていた。五分刈りの頭には白髪がだいぶ混じっていた。いつもごつい腕時計をはめていて、めったに笑わない人だった。 現場では最年長で腕もよく、納得がいかない時は…

掌編小説「見る目なき女」(『伊勢物語』アレンジ)

200字小説「もしも魔法が使えたならば」

200字小説「立ち向かえ、男ども!」

200字小説「愛される覚悟をしておいて」

※画像は「SS名刺メーカー」様(https://sscard.monokakitools.net)、お題(「愛される覚悟をしておいて」)は「140文字SSお題」様(https://shindanmaker.com/587150)よりお借りし、200字に変更いたしました。ありがとうございます。

200字小説「懐かしい光景」

200字小説「制限時間はあと一分」

SS名刺メーカー様で作った画像です。 お題は「140文字で書くお題ったー」(https://shindanmaker.com/375517)様よりお借りし、200字に変更いたしました。ありがとうございます。