2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧
明日からはがんばるつもりとりあへず今日は英気を養ふつもり
とんかつよりごはんの方がうまかったとんかつ屋さん今はなき店
021:窓 ぬすみぎきすきぬすみよみだいすきでよそんちの窓のぞくのもすき022:素 頑張って生きているのにわがからだすり抜けてゆく素粒子どもよ023:詩 これはあれドレミファソラシ詩ではなくまして死でなく口からでまかせ024:きらきら きらきらとしているもの…
011:イオン 衣手のマイナスイオン山の井のあかぬ別れも健康によし012:突破 絵馬の字のいびつなれども右上がり「難関突破合格祈願」013:愛 人間という名の猿に神のeye・愛・アイアイもおさるさんだよ014:段ボ−ル 段ボールの束の乱れて道にありクレマチスあを…
001:月 特急がプラットホーム過ぎ行けば二月の風は光を帯びて002:輪 輪投げの輪かさなりてあり そのなかに天使の輪などまじりをらむか003:さよなら 私から言ってあげるわ「さよなら」と 桜はらはらこぼれる前に004:木曜 木曜は燃やすゴミの日水曜の生ゴミ火…
えゝ、薫子さんとはあの丘の上で別れました。月の出を待つとおつしやつて。 「だつて、お月見は明日でせう?」と私が尋ねると、貴子さんが、 「違ふわよ。いとしの君を待つのよね」と訳知り顔におつしやつて、につこりとなさつた薫子さんの頬はバラ色に輝き…
「なんで二条橋なん。ここ見えへんのに」と、橋のたもとで浴衣姿のマミは言った。 「ちょっと通るだけ」と僕は曖昧に答えた。人生初デートの苦い思い出がここにある。 送り火を見に来たのはいいが、涼子も僕も地方から出てきたばかりで何も知らず、人混みを避…
久しぶりのゴロちゃんとの酒。四十年、いや五十年ぶりか。瓢の徳利はこの料亭の名物だ。庭には見事な酔芙蓉。隔たった時間もどこへやらで、ヨウコちゃんの笑顔を思い出す。空から見ていてくれるだろう。いろいろあったが、恋敵だった俺達は彼女の倍以上生き…