しぐなすの創作物置小屋

小説・短歌・現代誤訳などなど

【200字鑑賞】「蛆虫のちむまちむまと急ぐかな  松藤夏山」

蛆虫に対する暖かい視線を感じる。屍に湧くという蝿の幼虫を、作者は忌み嫌ってはいない。「ちむまちむま」と這っている蛆虫氏は、とても急いでいる風には見えないが、「急ぐかな」と作者は詠嘆的に解釈している。蛆虫氏はああ見えてもきっと急いでいるのであろう。人間の一歩分を、蛆虫氏は「ちむまちむま」と何分かかって移動するのだろうか。「ちむまちむま」というオノマトペがユーモラスであり、またペーソスをも含んでいる。