しぐなすの創作物置小屋

小説・短歌・現代誤訳などなど

2025-10-01から1ヶ月間の記事一覧

短歌題詠:083:予言

大災害起きる予言ははずれども耳鳴りの雨いまだ降りやまず

短歌題詠:082:ほろぶ

舌先にほろほろほろぶ落雁ののちの茜の空のひそけさ

【200字鑑賞】「きんぽうげ、むらむら黄なり。風のむた その花ゆらぐ。いろひ かげろひ  釈迢空」

字面としては切れぎれに見えるが、唱えると調子が整っていて気持ちがいい。無邪気でかわいらしい語感「きんぼうげ」、その花がゆらく。そこに動きがあり、陰影がある。風にゆれて、黄の色を明るく輝かせたり、そうかと思えば日陰に沈んだりしているのだろう…

でも自由詩ってさ~

残便感あるよね~

短歌題詠:081:ノック

わがドアをノックもなしに踏み込んで心盗みし汝(なれ)はいずこへ

短歌題詠:080:織る

わが闇を歌へば己が羽根を織る鶴の痛みと恍惚の眩(げん)

現代誤訳(変形短歌)

「橘の匂ひを風の誘ひ来て昔にかへす夜半のさ衣 有家」【現代誤訳】 橘の 花ゆらす 夜風が 思い出を 連れてくる夢で逢いたい

オマージュ短歌(狂歌)

恋をのみ須磨のスマホの電池切れ藻塩たれつつ生霊(いきりょう)飛ばす「わくらばに問ふ人あらば須磨の浦に藻塩たれつつわぶと答へよ 在原行平」「恋をのみ須磨の浦人藻塩たれほしあへぬ袖の果てを知らばや 藤原良経」へのオマージュ

短歌題詠:079:眼薬

いつからか泣かなくなった双眸(そうぼう)に点眼薬のほのかに苦く

200字小説「杖のいざない」

離れて暮らす娘から杖を贈られた。孫娘手製のお守り付きとあっては、使わないわけにはいかない。杖は私を墓へと誘(いざな)う。山の斜面にある妻の墓参りを、ずいぶん長く怠っていた。春の道は桜、たんぽぽ、著莪といった花がにぎやかだ。墓の傍らから見下…

短歌

紀貫之の忌日は旧暦5月18日といふ水底の菖蒲(あやめ)の影を貫きて雨降る頃に死にし貫之

短歌

ウクレレの弦の狂ひの密やかにレモン彗星近づくらしく

現代誤訳短歌

「照る月も影水底にうつりけり似たるものなき恋もするかな 紀貫之」【現代誤訳】 水面(みなも)にも空にも月はあるけれどわたしの恋は特別な恋