しぐなすの創作物置小屋

小説・現代誤訳・詩歌・漫画などなど

2006-01-01から1年間の記事一覧

西八条の春の夜の思い出

とある春、中宮(のちの建礼門院徳子さま)が西八条のご実家においでになったときのこと。中宮のご兄弟、甥御さんたちもおいででした。 花の盛りに月の明るい夜でした。そのような夜を、ただで明かせましょうか。権亮・維盛さまは漢詩の朗詠と笛、経正どのは…

西行、人造人間をつくるの巻

こんばんは、西行法師です。 これは私が高野山の奧に住んでいた時分の、不思議なお話です。 それまでなかよくやっていた友の聖が、突然京にのぼってしまいました。私はたいそう寂しい思いをしました。彼とは花や月をともに語ってきたので、またそのような友…

花の行方

むかし、聖ありけり。暮れ方、高野山の奧をすぎゆくほどに、春の雨ふりきたり。そこもとの桜、花咲きゐたるに、その陰に足に傷をおひたる娘、震へつつをりけり。高野山、女人禁制なれば、あやしきことなるに、花散りかかる娘の姿いとはかなげに見えたり。聖…

月かげ

むかし、男、女のもとにひと夜行きて、逢ふ瀬を契りたるに、はかなくなりぬ。女、知らざりければ、ひと年、ふた年、過ぎゆきて、たのまずなりぬるを、え死なずありけむ、千年とぞなりにける。いと白うなりたる髪、月かげにまがふ。さるひと夜も、月のあかき…

トシ&モト(お笑いコンビかい!)の逸話 in「袋草紙」

・歌を盗んだ俊頼 資基(すけもと)「あのさ〜、信濃の国に『風の祝(はふり)』っていう神事があるんだって」(@⌒ο⌒@)b 俊頼「ほう…」((°д° )シラネ) 資基「信濃は風が強いとこなんだって。だから、諏訪神社に『風の祝』っていう係のヒトがいてぇ、春の始…

俊頼VS基俊バトル in「無名抄」 3回戦

=内大臣家にて歌合が行われた。俊頼と基俊が判者(審判)をつとめた。= 口惜しや雲井隠れに棲むたつも思ふ人には見えけるものを 俊頼 この歌の「たつ」を、基俊は「たづ(田鶴)」だと思った(昔は濁点を表記しなかったので、「たつ」とも「たづ」とも読め…

俊頼VS基俊バトル in「無名抄」 2回戦

=雲居寺(うんごじ)にて歌合が行われた。お題は「秋の暮れ」であった。= 講師(読み上げ係)「明けぬとも〜なお秋風の訪れて〜野辺のけしきよおもがわりすな〜」 基俊(作者名は隠してあるが、これは俊頼のヤローの歌だなっ。Ψ(*`Д´*)Ψグヘヘヘ!!!ギャフン…

俊頼VS基俊バトル in「無名抄」 1回戦

源俊頼(1055-1129)と藤原基俊(1060-1142)は仲が悪かったそうな。というわけで、俊頼VS基俊バトル in「無名抄」(鴨長明著)。試合開始! カーン(←ゴングの音) 俊頼VS基俊バトル1回戦 基俊「俊頼なんて漢文も読めないアホなヤツでさ。経験だけが頼りなんじ…

因幡のうさぎちやん

「因幡のうさぎちやん」 大国主命、トリノオリンピックを見たまひて詠める歌 たちわかれイナバウアーののけぞりの裸のうさぎちやんは元気か 因幡の白うさぎ、歌にこたへて曰く「効能は?皮を剥がれたバカうさぎによろしいやうです〜…つて、11PMかい!」 …