しぐなすの創作物置小屋

小説・現代誤訳・詩歌・漫画などなど

2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

400字小説「祈りの日」

空襲の翌日、東京は焼け野原だった。母に連れられて旦那様のお屋敷に行った。私たちが住んでいた離れの小屋は跡形もなく、母屋はかろうじて屋台骨が黒焦げになって残っていた。 瓦礫の中に生焼けの積み木があった。確かに坊っちゃんの玩具だ。一度ちらりと見…