しぐなすの創作物置小屋

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2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

掌編小説「木槿の花」

大正生まれのフジヨは木槿の花が好きだった。娘のユリコは夏に帰省したとき、「すぐつくから」と、木槿の花のついた枝をもらったことがあった。挿し木にせよという。家に帰って植木鉢に差してみたが枯らしてしまった。 その木槿はユリコがまだ学生で、団地の…